咲き散りてなほ [やまとうた]
ふうわりと春風に乗る花びらの散歩の如き足取りかろし
はじめより此処に咲きけむと思はしむ気高き姿天を仰ぎて
其処こそがなれの場所とぞ思はしめ咲き散りてなほ麗しく咲き
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昨年私の街では桜の満開の時期に連日強風が吹いていました。
おかげでやっと咲いたと思った桜もあっと言う間に散ってしまったのですが
その代わりに桜吹雪の美しさも尋常ではなく
窓の外を眺めているうちにあっと言う間に時間が経っていた なんてこともしばしばありました。
今年はあれほどの光景を目にすることなく大方の桜は散ってしまいましたが
穏やかな日差しのもと 優しく吹く風にふわりと花びらが舞う様も
見ていて大変心地のよいものでした。
そして夕方になり 風がだんだん強まってくると
まるで本物の雪を降らせたように
翳り始めた空に白い花びらがひらひらと舞い降りるのです。
それはそれは美しく 目を奪われる光景でした。