その日は突然やって来て・・・ [やまとうた]


私のお散歩仲間である我が家の愛犬はこの春12歳になりました。
子犬の頃はノンビリ歩いてなどいられない!といった様子で犬ぞりのように走り
子犬と呼べる時期をとうに過ぎても、あっち~こっちと蛇行し
いつでも気が急いてテケテケテケ…と速足で歩くものですから
常に私の数歩前をゆく存在でした。

私もそんなにのろのろと歩いている訳ではないのですが
彼女にとってはそれでも充分に遅いのでしょう
私との距離を自分が立ち止まることなく合わせるために
歩きながらしょっちゅうクルっと回って調整するのです。

テケテケテケ…と歩いてはクルッ
またしばらくテケテケテケ…と歩いてはクルッ

それは何ともテンポよく、実に軽快なターンなのであります。(笑)
楽しげにクルッと回りながら歩く姿を後ろから眺めては
頭がいいのねと感心したり
いつかはテクテクとノンビリ歩ける日が来るのだろうか?
と思ったりしていた私にそんな日は突然訪れたのです。

梅雨入りする前、突然暑くなった頃のこと
いつもよりペースが遅くしょっちゅう立ち止まるので
どうしたのかな?と思っていたのですが
ついに私の後ろを歩くようになり
昨日まではそんなことはなかったのに?!と
突然の変化に大変驚いてしまいました。

歩く場所も時間帯も選んでいたので
いくら地面に近い所を歩くダックスフントとはいえ
急に上昇した気温だけが原因ではなさそうでした。
10歳を過ぎても元気いっぱいでしょっちゅう子犬に間違えられていたので
私もずっとこのままなのではないかと錯覚していましたが
その時とうとう彼女の老いを実感してしまったのです。

確かにもう少し落ち着いて歩いてくれないかなぁと思っていました
けれども、実際に後ろを歩かれたり
ゆっくりと歩かれてみるとどうもしっくりこないのです。
彼女らしさが何処かへ行ってしまったように感じて
大変勝手ですが淋しくなってしまいました。

人も動物も体力が衰えていくのは自然なことですから
受け入れないといけない現実なのだと頭では理解しています。
ただ、今はまだ心がついて来ておらず
慣れるにはもう少し時間が必要だと感じています。

”出来るだけ長い間 共に歩けますように・・・”
それからというもの、切なる願いを胸に彼女の背中を見つめています。

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