ちいさなわたしの読書体験 [本]


福音館書店Web Siteのコンテンツ”ふくふく本棚”で
今月の新刊エッセイを読みました。

「コーナーキックを蹴る」
http://www.fukuinkan.co.jp/blog/detail/?id=73

寄稿者は小沢健二さん。
今まで彼のミュージシャンの顔しか知らなかった私は
同姓同名の別人かと思って読み始めましたが、やはりあの小沢さんでした。(笑)
以下、少しだけエッセイの本文から転載します。

『まだ文を読まない年齢の子どもから見て、世の中はどんな風だろうと、大人は誰しも思う。
子供は、大人の聞く音楽を聞いている。あるいは、大人の見るテレビを見ている。
つまり、絵や音は、子どもたちに向かって開いている。
しかし、文字というやつは、子どもたちに向かって閉じている。
だから大人の本は、子どもたちに向かって閉じられている。
それどころか、子ども向けの本さえ、実は子どもたちに向かって閉じられている。
そのために子どもは、「これ、読んで!」と、閉じられた本の鍵を大人に開けてもらう必要があるのだ。』

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覚えていないだけかもしれませんが
私は親に読み聞かせをしてもらった記憶がありません。
その反面、保育園では沢山絵本も本も紙芝居も読んでもらったので
その記憶はとても鮮明に残っています。
本の細かい内容はまでは覚えていなくても
紙芝居や本を読んでもらった部屋の匂い
光の加減、自分や周りの園児たちの様子
そして、お気に入りの物語を読んでもらった時に感じた気持だけは
今でもハッキリと思い出せるのです。

沢山読んでもらった本の中で特に好きだったのは
松谷みよ子さんの「ちいさいモモちゃん」のシリーズでした。
先生の語りに想いがこもっていたのでしょうね
モモちゃんの日常がちいさな私の心にはとても魅力的に映りました。

それに、絵本ではなく文字が読める子供用の本だったので
先生が読み聞かせてくれなければ
4~5歳でモモちゃんの物語に出会うことはなかったでしょう。

あの頃読んでもらった本の中には沢山のお気に入りがあり
大人になってからかなりの時間が経過した今の私にとっても
その価値は全く変わりません。
お話に夢中になって耳を傾けていた当時の自分に思いを馳せると
今でも楽しい気持になるのです。
よくぞ素敵なお話を選んで読み聞かせて下さったと
先生に感謝の気持が湧いて来ます。

抜粋しなかったエッセイの続きの部分には
『子供の本の読者は大人です』と書いてあったのですが
本当にその通りだと思いました。
子供の周りにいる大人がどんな本を選び
それらをどう感じ、どのように分かち合うかによって
子供達の読書体験は大きく変わっていくということが
自分の体験を通して理解できるからです。

小沢さんの視点に触れたことによって書きたくなった読書体験については
まだ書きたいことがあるので続きはまたいつかと思っています。

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ある朝 [雑感]


夢の欠片は突然
その存在をアピールしはじめた。

いつものように一日を始め、一段落ついた頃
それは何の脈絡もなくぽっかりと心に浮かんできて
次第に夢全体の輪郭を形作っていった。
とても不思議な感じがした。

起きた直後に覚えていた夢は
時間経過と共に内容がぼやけてゆき
終いには本当に見ていたのかさえ怪しく思えてくる。
まるで誰かに記憶を消されたかのように
何の痕跡も残さずあっさりと消えてしまうからだ。

ところが今回のように無に見えていたところから
クッキリと浮かび上がる夢もあるのだから面白い。

私にとって夢は謎に満ちている。
そしてその正体はいつまでたっても掴めそうもないと感じている。


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わたしの季節感 [ひとりごと]


久しぶりにお味噌汁を作ろうかな?と思ったら
それは”そろそろ秋ですよ”のサイン。

けんちん汁が…と思ったなら
秋が深まったしるしです。

猫さんが膝に乗ってきたり
お腹の上で眠るようになったら晩秋。

私の肩にひょいっと飛び乗り
首の後ろでゆったりと寛ぐようになったら…
寒くて暖かい冬の到来です。


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季節の揺らぎ [雑感]

蝉の声は突如として消え
かすかに聞こえた秋の虫の音
妙な静けさに包まれた朝だった

ゆうらゆうらと揺れながら
木々はサラサラ音をたて
耳に心地よい朝だった

青空をなでる涼やかな風
完璧な秋の朝だった

熱風から解放され
ほっとしたはずなのに何故か釈然としない

あまりにその変化が唐突すぎるからなのか
私が寝ている間に”季節の境目”が
勝手に決められてしまった気がするからなのか

戸惑いを感じながら一日をはじめ
ふと気づくと夏が巻き返しをはじめていた

蝉の声がどんどん大きくなっていく

空は曇ってしまったのに
空気はひんやりとしているのに
”音”だけがすっかり夏に戻っていた


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