ある朝 [雑感]
夢の欠片は突然
その存在をアピールしはじめた。
いつものように一日を始め、一段落ついた頃
それは何の脈絡もなくぽっかりと心に浮かんできて
次第に夢全体の輪郭を形作っていった。
とても不思議な感じがした。
起きた直後に覚えていた夢は
時間経過と共に内容がぼやけてゆき
終いには本当に見ていたのかさえ怪しく思えてくる。
まるで誰かに記憶を消されたかのように
何の痕跡も残さずあっさりと消えてしまうからだ。
ところが今回のように無に見えていたところから
クッキリと浮かび上がる夢もあるのだから面白い。
私にとって夢は謎に満ちている。
そしてその正体はいつまでたっても掴めそうもないと感じている。