これからは自分を喜ばせることにしよう [心に響いた言葉]


『これまで、あたしはずっと、他人を喜ばせようとしてきて失敗したわ。
 でも、これからは、自分を喜ばせることにしよう。
 もう二度と、見せかけのふりはしまい。
 あたしは、うそや、見せかけや、ごまかしばかりを吸って生きてきたのよ。
 本当のことを言えるってことは、なんてぜいたくなことなんでしょう!
 今までやりたいと思っていたことを全部やるのは無理かもしれないけれど、
 やりたくないことは、もう一切しないわ。(後略)』
 
                   ”青い城” L.M.モンゴメリ著より

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ヴァランシー・スターリングは、自分の母親からも親戚一同からも
ただ結婚していないというだけで
一族の恥ずべき存在としてお荷物扱いをされたり
おじ達からひどいあてこすりを言われたりしていた。
そして街の人からも、何ひとつ魅力のない可哀想な女性だと思われていた。

親や年上の者に口ごたえするものではないと躾けられた彼女は
それでもずっと、身内の者の酷い仕打ちに耐えていた。
とうに自分の人生を生きることなど諦めてしまったのだ。
家族や親戚の怒りを買わないように
何を言われても、おとなしくやりすごすだけと決め込んでいた。
心の中はひどく傷ついていたのに・・・

しかし、ある日自分の命が一年もたないと知った彼女は
もう人の顔色ばかりうかがって、びくびくしながら生きるのはやめようと決心する。
その手はじめとして、自分自身に宣言したのが上記の言葉だった。

ヴァランシーが周りの人の目に魅力のない人として映っていたのは
一族の者(特に母親)が一番大事にしている体裁を守るために
彼女を押さえつけていたからだ。
「お前は身体が弱いのだから」とあらゆることを禁じ
結婚できない可哀想な子なのだと呪文のように言う。

こんな風に育ったら、自分の良さを見出すことなど到底できないだろう・・・
一族の者の心ない言葉が、彼女に自分に対する見方を誤らせ
結果、自信の無さがからにじみ出る雰囲気が染みついてしまっただけなのだ。
それでも遅ればせながら自分の人生をしっかりと生きはじめた途端に
奥の方に押しやられていた彼女独自の魅力が見る見る輝きはじめるのだった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

人は誰しもその人なりの美しさを必ず備えているものだと思う。
それは容姿に関係なく、内側からにじみ出るものだ。
しかし、せっかく与えらえている独自の美しさも
自分が周りの人の評価に惑わされてそれに気づこうとしなかったり
気づいていても 人と比べて劣っているからと、その良さを認めなかったなら
その魅力を出し切ることは難しい。

そもそも人は誰ひとり同じであるはずがないのだから
何故人と比べて自分の魅力を認めるか否かを決める必要があるのだろう?

誰かが自分に対して下した間違った判断に惑わされず
自分自身を価値ある者として客観的な目で見ること
決して人と比べて自分の良さを否定しないこと
人を喜ばせようとするあまり、自分の本当の気持を殺し続けないこと
(人を喜ばせようとする気持は尊いけれども、バランスが大切だと思う)
これらのことは自分らしく生きていく上でとても大切だと思う。

もしも自分らしく生きることが間違いなら
個性が与えられていることに何の意味もないことになってしまうではないか…
そして、それでは何と味気ない人生なのだろうと思う。

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F.マサヤ

無意識に聞いていて、後ではっと思い出すいい言葉もあります。
若しかして遅効性の脳かも知れません。
by F.マサヤ (2012-08-31 20:40) 

Sizuku

F.マサヤさん、こんばんは☆
コメントありがとうございます^^

ああ、分かるなぁ~と思いつつ読ませて頂きました。
その時は何気なく見たり聞いたりしていたのに
後でどういう訳か(すごいジャストタイミングで)ハッ!と思いだして
その時の心に深く浸透していくこと、私にもあります(^^)

人の脳ってすごいですよね?
適切な時にちゃんと思い出すのですから^^

by Sizuku (2012-08-31 22:55) 

ken

他人に迷惑をかけないことに注意した上で自分が主人公になって楽しく過ごしていくことでしょうか・・・(^。^)
by ken (2012-09-01 21:56) 

Sizuku

Kenさん、こんばんは^^
いつもありがとうございます☆

>他人に迷惑をかけないことに注意した上で

はい、決して自分勝手に生きるという意味ではありません。
多分Kenさんのおっしゃっている”迷惑”とは
一般的な迷惑行為のことを差していると思うのですが
それはしないのが大前提です^^

ただ、迷惑と言っても色々あると思うのです。
この本の主人公の場合は、母親や一族の人達の価値観をずっと押し付けられていたので、やりたくないことを一切しないとなると、自分を不当の扱う者の指示には従わないということも含まれるので、親や一族の者にしてみたら迷惑をかけられていることになるんですね。

でも、いつまでも従っていたら、自分の人としての尊厳は全く無視されたままです。
こういった場合、相手の価値観に合わせて迷惑をかけないように生きることは自分をひたすら殺し続けることになりますよね?
この場合、相手側からしたら迷惑になることは分かっていても、自分のために立ち上がることも必要なのではないか?と思うのです。

by Sizuku (2012-09-02 21:09) 

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